訪問リハビリテーションの効果について
訪問リハビリテーションのご利用者様は発症から時間の経った慢性期の方が多く、幾つもの疾患を合併していたり、生活環境も様々です。加齢に伴う身体機能の低下も伴ってくるため、全ての方が良くなるのは難しいことです。最近は漫然と効果の明らかでないリハビリテーションが行われているなどの意見もあり、訪問リハビリテーションの効果について明確にしていくことを私たちも痛感しています。では訪問リハビリテーション利用者の内どれだけの方に効果がみられているのでしょうか?
訪問リハビリテーションの効果についての報告一例を載せたいと思います。回復期(発症から1年以内)と慢性期(発症から1年以上経過)の脳卒中者で、訪問リハの介入は週1回、約50分(2単位分)、日常生活動作練習を中心に行なった場合です。訪問開始時と6か月後の日常生活評価尺度を比べると回復期はもちろんのこと慢性期の方に関しても日常生活向上の効果があったと報告されています。特に改善がみられた項目は歩行で約64%の方の歩行能力が改善したとのことです。歩行などの日常生活動作以外にも機能面や精神面など以下のような効果がみられているとのことでした。
・床からの立ち上がり
・外出機会の増大
・玄関の出入りが可能になった
・歩行距離の延長
・立位バランスの向上
・転倒回数の減少
・寝返り・起き上がりの改善
・痛みの改善
・交通機関の利用
・パソコン・書字能力の改善
・家事動作の改善
・可動域の改善
・精神面の安定
・留守番ができるようになった 等
今回は脳卒中者についての報告でしたが、骨折などの改善が見込めるケース、難病のような進行していくケースなど疾患によっても効果は違ってくると思います。
その人がその人らしく生きていくために、そして天寿をまっとうするために…専門性を大切にしつつも、その人や家族の立場に立って生活を支えることができるようなサービスを提供していきたいと思います。